ごきげんよう さんとーしゃです!
寒くなってくると旬を迎えるごぼう。きんぴら、サラダなどの料理にしたり、炒め物や煮物、みそ汁の具材、さらには健康効果で注目されたごぼう茶など、美味しくいただけますが、泥付きのものは下処理がおっくうになったり、ささがきが難しかったり、何となくちょっと残ってしまったりと、料理に取り掛かるハードルが高い野菜の1つではないかと思います。今回は、ごぼうを手軽に料理するため、ごぼうの洗い方や皮の処理などの下ごしらえ、保存方法、そして美味しくいただくレシピを1つご紹介します。
【ごぼうの下ごしらえ】
■洗い方と皮のむき方
ごぼう特有の土臭さを取り除き、風味や栄養はしっかり残すことができる方法をご紹介します。
まず、ごぼうについている土を流水で洗い流します。土が流れて皮の色が見えるまで洗います。私は食器を洗うスポンジの裏側のザラザラした面で洗い落としています。
次に、ごぼうの皮をむいていきます。
まず、アルミホイルを適当な大きさに切り取り、くしゃくしゃに丸めます。それをを手に持ってごぼうをこすって皮をむきます。この方法だと、皮の部分だけを適度にむくことができますので、料理した時にごぼうの風味やおいしさが程よく残ります。むいた皮はアルミホイルに付着するので、片付けはアルミホイルを捨てるだけでOKというのもうれしいところです。
皮むきに関しては、包丁の背の部分でこそげる方法や、たわしでこする方法、さらに皮むき専用手袋でこすり洗いする方法などもありますが、包丁の背を使う方法は皮がむけすぎて風味が残りにくく、たわしでこすると後片付けの時にたわしの毛の間にごぼうの皮が入り込んで大変です。専用手袋を使うと簡単ですが、むき具合の加減が難しいです。そんなわけで、アルミホイルを使う方法がおススメです。
■アク抜きの方法
ごぼうのアクは苦味やえぐみのもとなので、取り除くと料理がより一層おいしくなります。
ごぼうのアク抜きはとても簡単です。水1リットルに対して酢小さじ1/2を目安にして作った酢水にごぼうをさらすだけ。料理に酢の風味を残したくない、料理の仕上がりの色がさほど気にならない場合は、酢水ではなく水にさらすだけでもOKです。
ごぼうは皮をむいたり切ったりして空気に触れるとすぐに黒く変色しますので、切るなど下ごしらえの途中にもこまめに酢水(または水)にさらします。
下ごしらえが終わったら、10分程度酢水(または水)にさらしてザルに上げると、特有の風味を残しつつ真っ白で美人なごぼうのできあがり!
なお、煮物など、ごぼうを下茹でしてから使う場合、下茹でした後、調理するまで水につけておきましょう。空気に触ると、煮込みはじめた時にアクが浮き、仕上がりが汚い色になってしまいます。
■ささがきのやり方
まず、ごぼうの根本を切り落とします。太い部分のみ十字に切り込みを入れておくと大きさの揃ったささがきが簡単に作れます。
次に、まな板の上にごぼうを置きます。ここから、包丁またはピーラーでささがきにしていきます。昔、母が左手で斜めに持ったごぼうを鉛筆みたいに削って水を張ったボウルにポトポト落としていましたが、鉛筆をナイフで削ったことがほとんどない世代の方は以下の方法のほうがやりやすいと思います。
その1 包丁を使って太めのささがきを作る
右利きの人はごぼうを左手で握り、ごぼうの下に親指を入れます。次に、包丁の刃を右に向け削っていきます。
その2 包丁を使って細めのささがきを作る
ごぼうをまな板の上に置き、包丁の刃を右に向け左手で転がしながら薄く削っていきます。(ごぼうの下に左手親指を入れません)
その3 ピーラーを使う
ごぼうをまな板の上に置き、ごぼうの上に置いた左手でごぼうを回転させながら、右手で持ったピーラーをごぼうに当ててささがきにします。
■長持ちさせるごぼうの保存方法
その1 常温保存
保存のポイントは「乾燥させない」こと。ごぼうは土が付いたままの方が長持ちしますが、常温で保存する場合、しなびさせないために新聞紙で包んで、風通しのいい涼しい場所に立てて保存します。
その2 冷蔵保存
ごぼうを洗い、野菜室に入る長さにカットし、それをラップに包んで野菜室に立てて保存します。
その3 生のまま冷凍保存
洗ったごぼうを4~5cm程の長さにカットし、水に1~2分程さらしてから、水気をに拭き取り、1回分ずつの量を重ならないように平らにして冷凍用保存袋に入れて密封し、冷凍庫で保存します。
調理の際は、凍ったままのごぼうをカットして使います。固くて切れない場合は、2~3分程常温に置いて解凍して切りましょう。
ささがきには向きませんが、煮物にする場合は乱切り、きんぴらにする場合は千切りにして使います。
その4 加熱して冷凍
洗ったごぼうをささがきや千切りなどにカットし、酢水(または水)にさらし、水分を拭き取って、油を敷いたフライパンで軽く炒め、それをバットなどに広げて冷ましてから冷凍用保存袋に広げて入れ、空気を抜いて封をして、冷凍庫で保存します。
少し手間ですが、使うときに下ごしらえしなくていいし、凍ったまま調理できるので、お弁当作りやみそ汁の具などにも手軽に使えて便利です。
■ごぼうのいちおしレシピ
ごぼう独特の風味を味わうなら、やはりここは定番中の定番「きんぴらごぼう」をご紹介したいと思います。すりごまでアクセントをつけたり、七味唐辛子でピリ辛にしたり、お弁当用に味を濃い目にしたり、ちょっとした味変で楽しめます。美味しいきんぴらごぼうを作ってみましょう。
1 材料(2人前)
ごぼう (1本 150gくらい)
にんじん(1/3本 50gくらい)
合わせ調味料A(みりん 大さじ1、しょうゆ 大さじ1.5、砂糖 大さじ1、昆布茶 小さじ1)
- 砂糖はお好みで加減しましょう
- 昆布茶は顆粒和風だしでもOK
白いりごま 大さじ2
ごま油 大さじ1
2 作り方
- ごぼうはささがきにして、水(分量外)に10分ほどさらします。
- にんじんは皮をむかず、細切りにします。
- フライパンを熱してごま油をひき、水気を切った(1)、(2)を入れてごぼうがしんなりするまで中火で炒めます。
(4) Aを入れ、汁気がなくなるまで中火で炒めます。
(5) 白いりごまを入れて中火でさっと炒め合わせてできあがり!
3 ポイント
火加減は中火で。弱火だとごぼうが柔らかくなるのに時間がかかりますし、強火だと油を敷いたときに煙が出たり、焦げたりしますので、注意しましょう。
火を消す直前に少量のごま油をサッとかけると風味が出ます。
にんじんがなければ、その分をごぼうに置き換えてもOK。
4 アレンジ
細切りしたきゅうりと混ぜ合わせ、マヨネーズで和えてサラダにしたり、ご飯に混ぜてだし醤油などで味を整えたらまぜごはんにも変身できます。
白ごまの代わりに七味唐辛子(適量)を使うと、ピリ辛おかずに味変です。
【本日のうんちく】
ごぼうの皮にはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれています。クロロゲン酸は、ゴボウを水にさらしたときに出てくるアクで、この成分を摂取するためにごぼう茶を作るときは、ピーラーなどで薄切りしたごぼうを水にさらさず乾燥させます。
また、ごぼうには不溶性食物繊維であるセルロースやリグニンのほか、水溶性食物繊維であるイヌリンが多く含まれているので、お通じにもうれしい効果がありそうです。
ごぼうは漢方薬(解熱・発汗・利尿作用など)、欧米ではハーブティー、頭皮のトリートメントとしても使われるそうです。
とっても身体に良さそうなごぼうを美味しく食べて、元気な身体を作っていきましょう。